赤ちゃんの頭のかたち外来

当院では1981年から頭蓋骨縫合早期癒合症をはじめとする生まれつき頭や顔に変形をもつお子様の治療を行ってまいりました。
2013年より組織を一新し、小児科、脳神経外科、形成外科を中心とする小児頭蓋顔面(クラニオ)センターを設立し、この10年間で200例以上の頭蓋骨縫合早期癒合症への治療を行ってまいりました。
そのため、通常診療では多くの赤ちゃんの頭のかたちを心配される方々の受診が多くあります。多くの方は病的なものではなく、寝ぐせによる位置的斜頭症です。
位置的斜頭症はヘルメットによる形成手術が一般にも新聞等のマスメディア、SNSで発信されておりますが、当センターは自費診療は行わないという方針でおりました。
しかしながら、頭蓋縫合早期癒合症でありながら、位置的斜頭症と診断されヘルメット治療で経過観察されたという患者さんの治療を数人経験することとなりました。
そういった経験と、同一施設でのヘルメット治療を希望するご家族からの多数の声から、位置的斜頭症も、病的な頭蓋骨縫合早期癒合症と診断・治療できる施設での治療が望ましいと考え、当センターでも治療を開始することといたしました。
治療で使用する赤ちゃんの頭のかたちの矯正ヘルメット「Qurum」

頭のかたち外来予約センター

受診についてのご案内

・位置的斜頭症か病的な頭蓋縫合早期癒合症かの鑑別診断は月齢(年齢)によらず行います
・ヘルメット治療は一般的には定頸後~生後6・7ヶ月程度での矯正開始が適していると言われています
・ヘルメット治療の適齢期を過ぎたお子さまの場合は受診時にご相談ください
《受付時間》 平日9時~17時
《24時間受付中》

赤ちゃんの頭のゆがみについて

赤ちゃんの頭がゆがむ原因は、大きく分けて2つあります。
骨が早期にくっついてしまう「頭蓋縫合早期癒合症」に代表される病気によってゆがんでしまう「病的頭蓋変形」と、子宮内、お産時、むきぐせなど外部からの圧力を受けてゆがんでしまう「位置的頭蓋変形」があります。
まずは赤ちゃんの頭のかたちのゆがみが病気によるものか、病気でないものか適切な頭蓋健診を受けることが必要です。
ヘルメット治療について相談したい方は、当院が導入しているヘルメット「Qurum」のメーカーが運営する「赤ちゃんの頭のかたち相談室」に無料でご相談いただけます。

< Webからは24時間受付中 >

頭蓋健診について

当センターでは、頭蓋骨縫合早期癒合症に熟知した医師が適切な診断を行い、その結果に応じて治療を同じ施設内で提供いたします。
位置的斜頭症すべてが治療の適応ではなく、理学療法で十分改善可能なこともあります。しかし耳の位置やおでこにまで変形がおよぶような重症例ではヘルメット療法以外に有効な治療法がありません。
またヘルメット治療は、早期に開始することが変形の改善につながり、その治療期間は遅くても6か月齢から開始し、6か月間ほど装着するのが一般的です。
当院のスタッフは定期的にヘルメット適正治療研修会に参加しています。

病的頭蓋変形について

赤ちゃんの頭の骨は大人と異なり、いくつかの骨に分かれています。成人になるにつれて骨と骨がくっついていき、強固な頭蓋骨が形成されます。乳児期には脳が急速に拡大するため、頭蓋骨も脳の成長に合わせて拡大しますが、骨と骨が早期に癒合して成長を妨げてしまう場合があります。これを頭蓋縫合早期癒合症と呼びます。
早期に適切な診断、治療を受けないと頭蓋骨の正常な発育の障害や、頭や顔の骨の形態異常、手足の異常が起こる可能性があります。

位置的頭蓋変形について

位置的頭蓋変形は子宮内やお産時に頭が変形してしまったり、向き癖などにより圧力によって頭がゆがんでしまうことをさします。
位置的頭蓋変形のゆがみについては形に応じて「斜頭症」「短頭症」「長頭症」の3つに分けられます。

斜頭症

斜頭症(しゃとうしょう)は、後頭部が斜めにゆがんでしまい、左右非対称になっている症状です。
主な原因は、向きぐせや胎児期の子宮内環境による後頭部への圧力とされています。
ゆがみが進行すると耳の位置や顔面が左右非対称になってしまうこともあります。
そのような場合には、治療が必要になることもあります。
斜頭症

短頭症(絶壁頭)

短頭症(たんとうしょう)は、後頭部が丸くならず平坦になってしまう症状です。一般的に絶壁とも呼ばれます。
主な原因は、赤ちゃんが仰向けに寝ることで後頭部に圧力がかかることによるものとされています。
短頭症(絶壁頭)

長頭症

長頭症(ちょうとうしょう)は、頭部が通常より縦に長く伸び、後頭部が著しく突き出ている症状です。
主な原因は、横向きに寝ることによって側頭部に圧力がかかることとされています。長頭症は、病気による変形の特徴と似ているため、注意が必要です。
長頭症

頭のゆがみの予防方法

赤ちゃんの頭のゆがみ度合いを大きくしないために家庭でできる予防方法もあります。

寝かせる位置の工夫

寝ている赤ちゃんに同じ方向を向かせないことで、片方の後頭部に圧が長時間かかることなく、変形もしにくくなります。
例えば
・授乳のたびに頭と足の位置を交互に入れ替えて寝かせる
・両親が話しかける方向を変える

まずは、寝ている赤ちゃんの顔の向きを観察してみましょう。

タミータイム

タミータイムは首座りの練習やうつ伏せ練習の方法として用いられますが、頭のゆがみを予防する方法としても有効です。
うつ伏せになることで頭にかかる圧力を防げます。
分娩施設から自宅に戻ったら、1日2.3回、3〜5分くらいからはじめてください。
保護者の監視下でおむつ替えの直後や、目が覚めた後に行いましょう。
※ 顔を動かすことのできない時期のうつ伏せ寝は窒息の恐れがありますので注意が必要です。寝かせる際は仰向け寝にしましょう。

ヘルメット治療

頭のゆがみが重度の場合は自然な形に戻るのが難しく、頭蓋矯正ヘルメットを使用しての治療が必要になります。

ヘルメット治療とは

生後2~6ヶ月がヘルメット治療開始の適齢期。なるべく早くご相談を。
ヘルメット治療とは、赤ちゃんの頭のゆがみを改善するために行われる治療のことです。赤ちゃんの頭の骨はやわらかいため、日常生活のちょっとしたことでゆがんでしまいます。こうしたゆがみを改善するために、頭蓋形状矯正ヘルメットをかぶることで、自然な頭の形に頭蓋骨を成長させていく治療が「ヘルメット治療」です。
頭蓋骨がまだやわらかい生後2~6ヶ月の間にこの治療を開始すると、より良い効果が得られるとされています。
ヘルメット治療

ヘルメット治療で重要なこと

ヘルメット治療では「治療開始後のサポート」が重要になります。
赤ちゃん一人ひとりの成長や治療の進捗を見極め、適切なメンテナンスを施すために、経験豊富な医師とメーカーの協同が不可欠です。
メーカーの豊富なノウハウやデータにより、正確な診療を実現しています。

頭蓋矯正ヘルメット

当院ではジャパン・メディカル・カンパニーの日本製ヘルメットを用いてヘルメット治療を行います。
最先端3Dプリンタによる、強度と軽さを両立したヘルメットは、赤ちゃん一人ひとりに合わせた完全オーダーメイドで、日本人の骨格や、高温多湿な日本の気候を踏まえて設計されています。
13,000症例を誇るジャパン・メディカル・カンパニーのスタッフが常駐し、安心安全の医療サービスの提供をしています。

Qurum Fit(クルムフィット)

強度がありながらも非常に軽く、首が座っていない低月齢のお子様から装着できます。
ヘルメット本体はもちろん、クッションの水洗いも可能で清潔な状態を保てます。
赤ちゃんの頭蓋矯正ヘルメット

治療費について

ヘルメット治療は自費診療になります。※当院のヘルメットは医療費控除の対象となります。
初回ヘルメット作成料:550,000円(税込)
再診料:3,300円(税込)

ヘルメット治療の流れ

当院で行うヘルメット治療の流れになります。

Step1 レントゲン検査をする

レントゲン撮影により、病的な頭蓋変形(頭蓋縫合早期癒合症)でないかを確認します。

Step2 適応診断をする

診察では、視診・触診を通して、変形の診断と重症度(レベル1~4)を判定し、診察時の月齢を考慮した上でヘルメット治療の適応を判断します。

Step3 ヘルメットをつくる

3Dスキャナー撮影データをもとに、現在の変形した形から、矯正後の最終的な頭の形を想定したオーダーメイドのヘルメットを作成します。

Step4 治療スタート

治療申し込み時から2週間前後、ヘルメット装着開始。基本的には入浴以外の1日23時間、6ヶ月前後の装着を推奨しています(個人によって期間が異なります)。

Step5 定期的な診察

約4週間ごとに診察、装着から1ヶ月、卒業時に3Dスキャン検査を行い、ヘルメットの装着状況や矯正による頭蓋変形を確認し、また頭の成長や矯正された改善度に合わせてヘルメットの再調整を行います。

Step6 治療終了

治療終了時期は、矯正された頭蓋変形の改善度、頭蓋成長の度合い、治療に必要な装着時間の確保の有無などを基に、専門医が判断します。

ヘルメット治療効果例

月齢が早く、装着時間も長くつけることができるとかなり改善効果が期待できます。 ※ 開始した月齢や、装着時間、成長の速度によって個人差がございます。
ヘルメット治療効果例

診療受付

初診

毎週 木曜日 午前
※1 第2.4週 金曜日 午前 / 午後
※2 第2.4.5週 土曜日 午前

再診

毎週 月・水・金曜日

担当医師の紹介

坂本 好昭(形成外科)

坂本好昭先生
日本形成外科学会専門医・指導医
日本頭蓋顎顔面外科学会専門医・代議員
クラニオシノストーシス研究会 世話人
皮膚腫瘍外科分野指導医
小児形成外科分野指導医
Asian Pacific Craniofacial Association Active member
International Society of Craniofacial Surgery Active member
European Association of Plastic Surgery Corresponding member
American Association of Plastic Surgeons Active member

三輪 点(脳神経外科)

三輪点先生
日本脳神経外科学会専門医
日本小児神経外科学会認定医・評議員
日本神経内視鏡学会技術認定医・評議員
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
日本脳卒中学会専門医
クラニオシノストーシス研究会 世話人

武内 俊樹(小児科)

武内俊樹先生
米国医師免許証
米国小児科専門医 (American Board of Pediatrics, General Pediatrics)
米国小児神経科専門医 (American Board of Psychiatry and Neurology, Neurology with Special Qualification in Child Neurology)
日本小児科学会小児科専門医・認定小児科指導医
日本小児神経学会小児神経専門医・研修認定施設指導責任者
日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医・指導医

頭のかたち外来予約センター

受診についてのご案内

・位置的斜頭症か病的な頭蓋縫合早期癒合症かの鑑別診断は月齢(年齢)によらず行います
・ヘルメット治療は一般的には定頸後~生後6・7ヶ月程度での矯正開始が適していると言われています
・ヘルメット治療の適齢期を過ぎたお子さまの場合は受診時にご相談ください
《受付時間》 平日9時~17時
《24時間受付中》

ご予約の変更について

お電話でご予約の方:予約センター(0120-247-130)までお電話ください(受付:平日9:00~17:00)
WEBでご予約の方:予約システムよりご変更手続きをお願いします